「食べログ賠償金支払い」から考える「平等」と「集客」の在り方

雑談
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以前このブログでも取り上げましたが、焼き肉チェーン店運営会社「韓流村」が「アルゴリズム変更により不当に点数を下げられた」と食べログ運営会社「カカクコム」を訴訟した件で、本日16日、食べログ側が3840万円の賠償金を支払うという判決がでました。

 

これについて、私個人の考えをまとめたいと思います。
あくまで「個人的な考え」ですのでご了承下さい。

 

 

今回の判決でまず感じたこと

結論からいうと、今回の判決は「世に悪い影響をもたらす」だろうと感じています。

まず断っておきますが、私は店を探すのに食べログを使ってはいますが、食べログは嫌いです。
点数は信用できないし、口コミを書いてる人も変な人がいたりするし。

 

今回の訴訟は不自然?っていうか誰得?

 

今回は「食べログがアルゴリズム(点数を付ける仕組み)を変更したことで、チェーン店舗の評価が不当に下げられた」ということに対しての訴訟です。
前の記事でも書いたように「ネット予約を導入しないと点数下げるぞ(※)」みたいに条件付けられるならさすがにアウトだと思いますが。
(※某所の飲食店オーナーさんから聞いた話であり、この発言があった確証・根拠はありません)

 

ちなみに前の記事はこちら↓

食べログ訴訟、「有料会員にならないと点数下がる」の噂は本当?
Yahoo!ニュースにこんな記事が掲載されていました。中々に興味深い記事でしたので、レビューしたいと思います。今回の騒動の概要この記事では一部割愛されていますが、今回の騒動をざっくり解説すると、首都圏を中心に焼き肉チェーン店「KollaBo...

 

アルゴリズムの変更に伴う点数下落なので、影響範囲は原告である「韓流村」だけでなく、他にチェーン展開している店も同じ被害(?)にあっているはずです。
これで集団訴訟とかになるなら分かりますが、今回は一企業が訴訟を起こして賠償金支払いの判決が出ました。

 

ここでいくつか疑問が出てくるのですが、

 

  • 点数が下がった他のチェーン各社も個別に食べログを訴えたら、100%賠償金が貰えるということ?
  • 今回の訴訟で「チェーン店の点数が元に戻る」としたら、それまで恩恵を受けていた個人店の売り上げが下がると食べログが賠償するのか?
    (そんな訳ないと思うけど、賠償しないと筋が通らない?)
    もしそうなら、今後食べログはアルゴリズムを変更する度に誰かに賠償金を払うことになるのか?
  • 「独占禁止法」に抵触したとのことだが、競合である「ぐるなび」や「ホットペッパーグルメ」がアルゴリズムを変えたらどうなるのか?
    また「優越的地位の乱用」は他の口コミサイトには適用されないのか?

 

確かに食べログはこれまでも飲食店に対して横柄だったり、日頃の行いもあって風当りが強いのは分かりますが、結局「言ったもん勝ち」になってる感が否めないように思ってしまいます。
「何もしてないのに点数下がった!許せん!」という気持ちはよく分かりますけども、ちと感情的すぎるのではないかと。

 

そもそも「平等な点数」とは?

 

なお今回の訴訟では、原告側は「今後アルゴリズムを使うな」という条件も提示したようですが、さすがにこれはやりすぎです。
というか正当性がありません。
単に「食べログはうちの店の都合の良いように変わるべきだ」と言ってるようにしか聞こえません。

 

そもそも点数なんて単純に平均を取れば平等じゃん」と考える方もいるかと思いますが、私はそうは思いません。

「点数を単純な平均にする」は誰でも考えうる条件ですが、それをすることでサクラに高い点数の嘘レビューを書かせたり、客のフリをして競合店に低い点数を入れる輩必ず現れます。

必ずです。

しかもそれは人の目で見ても判断できません。

まぁ今でもそういう輩はいますけど、そういった不正な口コミが反映されないためのアルゴリズムです。

 

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉があるように、「サクラなんて皆やってる」になれば信用性もクソもありません。
そうなると「悪いことする人間が得をする」という、平等でも何でもない状況になります。

 

 

 

なので「単純な平均」ではなく「アルゴリズム」を採用する必要があるわけですが、アルゴリズムの規則性を公開してしまうとITに詳しい飲食店が高評価になる」という意味不明な状況が起きます。
さらに「ウチが口コミサイトの評価を上げますよ!」という詐欺まがいな自称コンサル会社が乱立し、地道に頑張っている飲食店がカモにされてしまいます。

 

 

結局のところ「平等にするためにはアルゴリズム(非公開)って必要だよね」という話になると思います。
そしてアルゴリズムは各口コミサイトによって異なり、それぞれが特色を出しているのが現状です。

 

アルゴリズム自体が否定されるのであれば、他の口コミサイト(飲食以外)も運営はかなり難しくなります。
もし口コミ評価の点数は、平均点ピッタリにしなければならない」ということにでもなれば、名ばかりの「平等」の裏で嘘と詐欺が蔓延するでしょう。

 

平等を保つための「ロジック非公開」ということですね。

そういう意味では、Googleの「SEO対策」なども同じです。

 

っていうか「集客」のやり方に問題があるのでは?

 

今回の件ですが、一介のWebの専門家として感じるのは、集客の流入経路(俗にいう集客チャネル)にも問題があったのではないかということです。
要するに「食べログに依存し過ぎたのでは?」ってことです。

 

例えば大手チェーンの吉野家やサイゼリヤの集客は、当然ですが食べログだけに依存していません。
ホームページやSNS、テレビや様々な媒体を使って、独自の集客を確立しています。
同じように個人経営の小規模な店も、集客を何かに依存しないようリピーター確保の施策を練ったりしています。

 

もし食べログの評価が下がったことによって売上が激減したのであれば、根本的な問題は「食べログの点数が下がったから」ではなく「集客の1本柱が折れたから」かと思います。
これは企業努力が云々ということではなく、リスク管理の問題かなと。

 

恐らく、今回点数が下がった他のチェーン店も「食べログの点数が下がったなら、もっと集客の手段を考えないと」ってなったと思います。
大手とはいえ所詮一媒体、しかも「ネットの口コミ」なんていう不確定なものに依存するのは流石にまずいかと。

 

まぁ個人的には「そこまで集客を食べログに依存していたのなら、これまでの食べログの恩恵をまるで無かったことのように責め立てるのはどうなの?」とか思ったりしますが。
食べログから掲載削除してもらえば、もう点数に振り回されることもないですしね。
(それができるなら訴訟してないでしょうけど)

 

まとめ

私個人の見解としては、「今後口コミサイトはまともに機能しなくなってくる」、そして「不平不満を大声で言う人・悪い事する人達が得をし、真面目な人が損をする世の中に一歩近づいた」と感じています。

 

あとは「出過ぎた杭は打たれる」世の中なんだなぁとも感じました。
食べログは今後、訴訟の集中砲火を受けるかもしれませんね。

 

ちなみに飲食店に限らず、経営者の方はこれを機に集客チャネルの見直しをおすすめします。
ホームページ等でお悩みがあれば、ウェブドカタにお問い合わせ下さい!(露骨な宣伝

 

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